海外で就労ビザを取得するには? ~アメリカ編~

いつもとは視点を変えて、日本から海外へ渡航し、就労ビザを取得するための条件などを、国別にまとめていきます。
今回は、アメリカでの就労ビザについて。
アメリカにも、様々なビザの種類があります。
就労系以外では、B-1【商用】や、B-2【観光】ビザをはじめ、他にも多数あります。
就労系ビザでは、下記のように分類されています。

■H-1Bビザ【専門職】
特定の専門職に就くためのビザです。
申請者は、対象の職種での関連分野で、学士号かそれ以上の学位が必要です。
実務経験を学歴に換算出来るケースもありますが、基本的には高い学歴が要件になります。

■H-2Bビザ【一時的非農業労働者】
アメリカで雇用する側が、一時的に非農業分野で外国人労働者を雇用する際のビザです。
学歴要件はなく、対象職種は建設業をはじめ、季節的なホスピタリティ業界等、広い分野に渡ります。

■J-1ビザ【訪問交流訪問者】
研修生、インターンシップ等、特定のカテゴリーに於ける交流訪問者が対象のビザとなります。
プログラムによっては、特定の学歴や専門技能が必要になることもあります。

■L-1ビザ【企業内転勤】
多国籍企業が、アメリカのオフィスへ従業員を転勤させる際に必要なビザです。
特定の学歴レベルは決められてはいませんが、管理職や専門職に就いている者が対象者となるので、必然的に一定の教育や専門的な技能が求められます。
国際的な舞台で活躍する大卒者にとっては、有利なビザになります。

■O-1ビザ【顕著な能力を持つ個人】
科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツ等の分野で顕著な能力を持つ“個人”を対象としたビザです。
学歴要件はないものの、その分野での受賞や貢献、公表された論文等…業界内での実績や評価が重視されます。
大卒者であれば、研究や出版物、受賞歴等を通して、顕著な能力や実績を証明することが出来ます。

■Eビザ【貿易・投資家】
貿易や投資を通じてアメリカとの商業的な取引をする国の国民を対象としたビザです。
Eビザでは、学歴より実際のビジネス活動や投資規模が重視されます。

■EB-2ビザ【高度な職業】
高度な学位を持つだけでなく、それぞれの分野で顕著なスキルを持つ専門家を対象としたビザです。
EB-2ビザは、永住権の取得に繋がることもあるので、ハードルは高いですが魅力的なビザと言えます。

■TNビザ【北米自由貿易協定】
カナダやメキシコの国籍で、専門卒者を対象としたビザです。
特定の専門職リストに記載されている職種が対象とされており、専門学校での学位や資格が必要となります。

特に、今のアメリカ政権の方向性が、(アメリカに)在留する外国人に対して、とても厳しい流れになっています。
更に、アメリカでの就労ビザ取得は、学歴が重視されるものが多く、決して簡単ではありませんが、実務経験やスキル等でアピール出来るものも確かにあるので、それぞれの強みを活かせる環境を如何にして見つけるか、ここが大きなポイントかなと思います。