外国人のお子さんが、家族滞在ビザから定住者ビザへ変更可能な条件

定住者については、また別の記事で書かせて頂きますが、今回は“家族滞在”ビザで日本に在留する外国人のお子さんが定住者ビザを取得するには？というところにフォーカスしてみます。
以前は、家族滞在ビザで暮らしてきたお子さんが高校を卒業して、就労系のビザに変更するにしても、学歴や職歴要件を満たせず難しい状況でした。
しかも、家族滞在ビザは原則就労が不可ですから、資格外活動の許可を得て、週に28時間のアルバイトが出来るくらいですし、扶養を受けていることが前提のビザなので、独立して生活をすることも難しく、何かと選択肢が狭いところがありました。
それが、現在では変更要件が緩和されております。

■定住者ビザ取得への要件の緩和
“定住者ビザ”の取得要件は、下記のように変更の要件が緩和されました。
※下記のいずれにも該当する必要があります。

1.日本の義務教育を修了していること
※学校教育法第1条に規定する小学校、中学校をいい、夜間中学、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む

2.日本の高等学校を卒業していること又は卒業見込みであること
※学校教育法第1条に規定する高等学校（定時制、通信制を含む）をいい、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部、高等専門学校も含む

3.入国後、引き続き家族滞在の在留資格をもって日本に在留していること
※例えば、留学の在留資格でも、“家族滞在”の在留資格該当性がある方は対象となる

4.入国時に18歳未満であること

5.就労先が決定（内定を含む）していること
※週28時間超の就労であること

6.住居地の届出等、公的義務を履行していること

つまり、小学生の頃から日本に在住し、義務教育を経て高校を卒業しているお子さんで、就職が内定していれば、定住者ビザへ変更が認められる可能性が高まりました。
定住者ビザへの変更が認められれば、就労制限はありませんので、学歴や職歴などの要件も気にする必要がありません。

■お子さんの日本在住が短い場合は？
例えば、小学校を卒業後に来日した場合など、日本在住の期間が短い方は、就職先から内定を得て“特定活動”ビザへの変更や、専門学校・大学等へ進学して“留学”ビザへの変更という選択肢が考えられます。

定住者ビザと特定活動ビザには就労制限がありませんので、単純労働や風俗営業関連の仕事にも就けます。
学歴や実務経験等の要件もなく、日本人と同じように労働基準法の範囲内で自由に就労出来ますので、上記の条件に該当するお子さんにとっては、日本に於ける選択肢が増えたことになります。
もちろん、審査を経て…ですので、100％許可されることは保証されていませんが、従来よりは格段にチャンスが広がったと言えます。

※法務省のHPより