“民泊新法”住宅宿泊管理業者について
■住宅宿泊管理業者への委託
住宅宿泊事業法(民泊新法)に於ける民泊事業で、下記のいずれかに該当する場合、“住宅宿泊管理業者”へ管理業務を委託する義務があります。
・家主不在型
・届出住宅の居室の数が5部屋を超える場合
ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者でもあるなど、自らが住宅宿泊管理業務を行う場合については委託は不要ですが、個人規模でも家主が全ての業務に対応するのは現実的ではありません。
なので、住宅宿泊管理業者に委託するのが一般的な形になっています。
その際、住宅宿泊管理業務の全部を契約により委託するコトになりますが、委託するにあたり住宅宿泊管理業者に対して、予め届出書や添付書類の内容を通知しなければなりません。
■住宅宿泊管理業者としての登録要件
住宅宿泊管理業者は、国土交通大臣から認可された民泊の管理業務全般を代行する事業者を指し、登録を必要とします。
登録は、個人としても法人としても可能ですが、登録申請を行うには、下記のいずれかを満たす必要があります。
●個人で登録申請する場合
・住宅の取引又は管理に関する2年以上の実務経験
・宅地建物取引士の認定者
・管理業務主任者の認定者
・賃貸不動産経営管理士の認定者
●法人で登録申請する場合
・住宅の取引又は管理に関する2年以上の実務経験を有する法人
・宅地建物取引士の認定法人
・管理業務主任者の認定法人
・賃貸不動産経営管理士の認定法人
■登録更新について
住宅宿泊管理業者の登録は、5年ごとに更新が必要です。
その際の手数料については、下記のようになっています。
・新規の登録申請…登録免許税として、1件につき90,000円
・更新の登録申請…登録手数料として、1件につき19,700円
※電子申請の場合は19,100円
■家主不在型の“不在”の基準とは
家主不在型の民泊で、どの程度までを“不在”と判断するのでしょうか。
この場合の“不在”とは、日常生活を営む上で通常行われる行為である生活必需品の購入等は、一時的な不在に該当しますが、業務等により継続的に長時間不在とするものは一時的な不在には該当しません。つまり、この場合には家主不在とみなされます。
一時的な不在として認められる範囲としては、届出住宅が所在地域などにより判断されますが、(生活必需品の購入などは)原則1時間までとなります。
ただし、外出先の店舗の位置や交通手段の状況によっては、2時間程度までなら許容されるとされています。
当然のことながら、住宅宿泊事業者(家主)が、一時的に不在にする場合においても、宿泊者の安全の確保に努めることが必要です。
■住宅宿泊管理業者への委託業務の範囲
住宅宿泊管理業者に業務委託をする場合は、全ての業務をまとめて委託するのが一般的な形ですが、住宅宿泊事業者(家主)が一部の業務を引き受ける場合もあり、その選択は自由です。
・全ての業務を管理業者へ委託する場合
予約管理や清掃、ゲスト対応まで、全ての業務を管理業者に委託すると、当然ながら費用はかかりますが、家主の負担はなくなります。
複数の民泊を運営する方や、民泊物件が自宅から遠い場所にある場合などは、こちらの方法が効率的で現実的とも言えます。
・一部の業務のみ管理業者へ委託する場合
一旦、全ての管理業務を委託し、その後に家主が自身で出来る業務のみを“再委託”という形で管理業者から引き受けるケースもあります。
清掃業務や外国語対応など、家主自身が苦手と感じる業務のみを委託すれば、コストの削減になり、民泊運営の助けにもなり得ます。
・全ての管理業務を家主が行う
管理業者への委託をせず、全ての業務を家主自身で行うケースもあります。
ただし、居室数が6室以上であったり、家主不在型の場合は、住宅宿泊管理業者への委託が義務になりますので、家主自身が管理業者としても登録をする必要があります。
また、居室数が5室以下で、家主同居型の場合は、全て家主自身が管理業務を行うことが出来ます。
この場合の利点としては、何と言っても委託コストを抑えられること。
更には、ゲストとコミュニケーションも取れたりしますが、かなりの作業量にはなりますね。