通信制大学は、就労ビザ申請時の学歴要件を満たす?

今回は、相談の中でも耳にすることが多い、就労ビザ申請時に、通信制大学の卒業は学歴として認められるのか?を書いていきます。
外国人の方が、大学を卒業後に企業へ就職する場合は“技術・人文国際・国際業務”を取得するケースが多いかと思いますので、ここでは技人国ビザを所得する場合を前提とします。
そして、日本で通信制大学を卒業した場合と、本国で通信制大学を卒業した場合の2つのパターンについて、ご説明します。
■日本で通信制大学を卒業した場合
学校教育法に定められた正規の大学であれば、卒業又は修了することで一般的な大学と同様に学位が授与されます。
通信制大学は、学校教育法に定められた正規の大学とされているので、卒業又は修了すれば、通学課程と同じように学位が与えられます。
ですので、まずは進学しようとしている通信制大学が、卒業又は修了後 に“学士”や“短期大学士”などの学位を取得出来る学校であるかどうかを、確認した方がいいです。
よく知られている通信制大学として、放送大学がありますが、この大学の場合は卒業要件を満たせば、大学卒業資格を取得出来ます。
また、主流ではないものの通信制大学の中には、対面でのスクーリングを実施する学校もあります。
スクーリングを受けた場合には、それの証明書や日程表等も申請時に添付するのも、1つのアピールになります。
■本国で通信制大学を卒業した場合
申請者の母国にある通信制大学を卒業した場合はどうでしょう。
この場合は、“日本の大学、もしくは短大以上のレベルの教育機関であるか?”が重要になります。
また、学位を取得出来るのかも重要です。
海外の通信制大学では、修了証書はあるものの、学位を与えないケースも多々あります。
入管での審査は、日本の大学、もしくは短大以上のレベルの教育機関であるかを判断する基準として、学位の有無を重要視しているとされています。
よって、海外の通信制大学を卒業した場合でも、学位がない場合は、審査では不利になる可能性が高いかもしれません。
■通信制大学では、留学ビザを取得出来ない
そもそも留学ビザの要件は、日本の大学や専門学校等、正規の教育機関に実際に通学する学生に認められる在留資格であるとされています。
例えば、放送大学は自宅で視聴や学習をするスタイルの通信制大学ですので、通学という概念がありません。
よって、留学ビザの対象外となってしまいます。
放送大学への入学によって留学ビザの取得は出来ないため、配偶者ビザや定住者ビザ等…取得が可能な他の在留資格があれば、そのビザで来日した上で放送大学を卒業し、その後に就労ビザへ変更するといった形であれば可能かと思います。