留学生がアルバイトをする際に必要な資格外活動許可とは？

今回は、資格外活動許可について書いていきます。
資格外活動許可と言えば、留学生のアルバイトがポピュラーなケースになるでしょうか。
その辺りにフォーカスしつつ、この活動許可について説明します。

■留学生がアルバイトをするには…？
在留資格“留学”は、外国人が日本の学校で教育を受ける活動をするための在留資格です。
よって、このビザでの就労は認められていません。
では、留学生はアルバイトを出来ないのか？と言うと、そんなことはありません。
そこで登場するのが、この “資格外活動許可申請”です。
ただ、この資格外活動許可には、数多くの規定があります。
アルバイトとは言え、本来は就労が出来ない在留資格の方が働くことになるので、何でもOKというワケにはいきません。
アルバイトをする場合であれば、仕事の内容や働く時間などが細かく規定されていますので、それを厳守しなくてはなりません。
生活費が足りない…など、それぞれに事情はあるかもしれませんが、この規定の範囲を超えて働くと、 本来の“留学”ビザにも影響を及ぼす可能性もあります。
留学生の他にも、仕事をすることに制限が定められている場合や、仕事をすることがその在留資格では認められていない方も対象となります。
ちなみに、永住者や定住者の方は、就労制限がないため、資格外活動許可は不要になります。

■資格外活動許可の種類
資格外活動許可には、“包括許可”と“個別許可”の2種類があります。
それぞれの違いを見ていきます。

●包括許可
勤務先や業務内容を指定せず、1週間に28時間以内の収入を伴う活動を行う場合に取得する許可です。
具体例としては…
・在留資格“留学”の方
・在留資格“家族滞在”の方
・在留資格“特定活動”の方で、外国人の扶養を受ける配偶者、子、又はそれに準ずる者として扶養を受ける者として行う日常的な活動を指定されている方
・継続就職活動又は内定後就職までの在留を目的とする在留資格“特定活動”の方
・在留資格“教育”、“技術・人文知識・国際業務”、“技能（スポーツインストラクターに限る）”のうち、地方公共団体等との雇用契約により活動する方

●個別許可
具体的な就労先や業務内容を指定して許可を受ける手続きです。
・留学生が就業体験を目的とするインターンシップに従事し、週28時間を超える資格外活動をする場合
・大学で稼働する“教授”の在留資格の方が、民間企業で語学講師として稼働するなど、“技人国”の在留資格に該当する活動を行う場合
・個人事業主として活動する場合や、客観的に稼働時間を確認することが困難な活動に従事する場合

■資格外活動許可の要件
資格外活動許可を得る場合には、下記の要件があり、全てに適合する必要があります。

1.資格外活動許可での活動が、現在の在留資格の活動を妨げないこと

2.現在の在留資格による活動を行っていること

3.資格外活動許可での活動が、在留資格“特定技能”及び“技能実習”を除く、就労が認められている在留資格で行うことができる活動に該当すること。
※この要件は、個別許可の場合にのみ必要になります

4.資格外活動許可で行う活動が、次に記載するどの活動にも当たらないこと
ア、法令（刑事・民事を問わない）に違反すると認められる活動
イ、風俗営業若しくは店舗型性風俗特殊営業の営業所に於いて行う活動や、無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業、または無店舗型電話異性紹介事業の仕事をする活動

5.収容令書の発付または意見聴取通知書の送達、若しくは通知を受けていないこと

6.素行が不良でないこと

7.日本の機関との契約にもとにして、在留資格にあたる活動を行っている場合は、その機関が資格外活動を行うことについて同意をしていること

■資格外活動許可の注意点
例えば、留学生が資格外活動許可を得てアルバイトをする場合に、注意すべきルールがあります。
上記の要件にもありますが、法令に違反する仕事は勿論、風俗営業に関わる仕事は一切出来ません。
この場合の風俗営業とは、いわゆる性風俗に限らず、風営法の規制のある、接客を伴う飲食業、バー等店内の照明が暗い飲食業、パチンコ店やゲームセンターも含まれます。
パチンコ店の店員ではなく、パチンコ店の清掃だけ…でもNGです。

もう1つは、週に28時間以内というルール。
その1週間のカウントのしかたも要注意です。
この場合の1週間とは、日曜日から土曜日まで…のように、特定の期間のカウントではありません。
正しくは“連続した7日間”になりますので、どこを数えたとしても、連続した7日間では、28時間を超えてはいけません。
例えば、週に7日間アルバイトをするのであれば、1日あたり4時間以内になります。
1日に4時間を超えてアルバイトをする日がある場合は、前後含めて7日間で計算して28時間を越えないようにしなければいけません。
このルールを軽視し、週28時間を超えてアルバイトをすると、不法就労となり罰則の対象となります。
当然、ビザの更新や変更申請の際にも、資格外活動許可違反を理由に、不許可の原因となる可能性がありますので、ルールの範囲内で活動した方がいいです。