技術・人文知識・国際業務で就労可能な業務とは?

19種類ある就労ビザの中で、ポピュラーなものの1つとされるのが、“技術・人文知識・国際業務”
略称として、“技人国(ぎじんこく)”と呼ばれるものです。
しかし、ポピュラーな在留資格とは言え、要件は細かく厳しいものがあり、決して簡単に取得出来るものではありません。
様々な要件の中から、まずはこの“技人国”では、どのような業務に就くことが出来るのかを書いていきます。

■日本の公私の機関との契約
技人国のビザでは、本邦の公私の機関との契約に基づいた業務…とあります。
この“本邦の公私の機関との契約”をもう少し簡単に説明しますと、国、地方公共団体、独立行政法人、日本の会社法人、公益法人の他、日本に事務所・事業所を有する外国の国・地方公共団体(地方政府)、法人等を指します。
更には、外国人が在留資格内の活動を行える環境を有するものであれば、法人格を有しない個人事業主も含まれます。
申請人となる外国人は、これらの機関と雇用契約等を締結する必要があります。
その場合の契約には、雇用契約だけでなく、委任契約、委託契約、嘱託契約なども含みま
業務委託契約や派遣契約も契約に該当はしますが、契約の安定性への観点から、通常の雇用契約に比べ、ビザの許可がされるハードルが高くはなります。

■業務内容の定義と関連性
技術・人文知識・国際業務、それぞれの業務内容は下記のように定義されています。
・技術…理学、工学、その他自然科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務
・人文知識…法律学、経済学、社会学その他の人文知識の分野に属する技術もしくは知識を要する業務
・国際業務…外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務

基本的には、大学等での専攻内容と、上記の業務内容の関連性の有無が、入管での審査時の判断基準の1つになります。
また、日本の専修学校等についても、専門課程を修了し“専門士”の称号授与があれば、学歴を証するものとして扱われますが、専修学校の修了者の場合は、大学等の卒業者と比べると、関連性の判断基準が厳しくなる(関連性の範囲が、より限定される)傾向にあります。
よって、大学を卒業した方は、関連性は比較的緩めに判断されます。
とは言え、従事する業務との該当性を証明する際に、業務内容と履修科目の合致性は必須の要素となるため、注意が必要になります。

■単純労働はNG!!
“技人国”をはじめ、多くの就労ビザでは、単純労働が認められていません。
資格外活動許可を得た上で、アルバイトをすることは可能ですが、その際の業務も技人国で許可されたものでなければなりません。
ただし、特定技能ビザや永住ビザ、配偶者ビザ、定住者ビザなどの在留資格であれば、単純労働に従事することが可能になります。
※単純労働の具体例としては…
・工場や建設現場の作業員
・ウェイターやウェイトレス
・調理補助
・マッサージ師
・美容師や理容師
・コンビニやスーパーの店員(レジ打ちなど)
・清掃作業員
・ドライバー
・警備員

■“技術”に該当する業務
3分野の具体的な業務に触れていきます。
“技術”に該当する業務は、専門的・技術的な高度の知識を必要とするものとされています。
具体例としては…
・機械工学の技術者
・システムエンジニア
・プログラマー
・情報セキュリティーの技術者
・精密機械器具や土木・建設機械等の設計、開発
・建築系エンジニア
・航空工学の技術や知識を必要とする航空機の整備
・CAD、CAEのシステム解析

■“人文知識”に該当する業務
“人文知識”に該当する業務は、学問的・体系的な知識を必要とするものとされています。
具体例としては…
・企画
・営業
・経理
・人事
・法務
・総務
・コンサルティング
・広報
・マーケティング
・商品開発など

■“国際業務”に該当する業務
“国際業務”に該当する業務は、外国の社会・歴史・伝統を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とするものとされています。
具体例としては…
・通訳
・翻訳
・デザイナー
・貿易業務
・語学学校などの語学講師
・企画、広報など

上記の業務は、あくまで一例として挙げたものですが、いずれの業種に於いても、外国人本人のこれまでの経歴と、これから就く業務との関連性が有無が、“技人国”で許可を得る最も重要なポイントとなります。
これらのポイントが、しっかり押さえられていないと、申請が不許可になる可能性が高いため、細心の注意を必要とします。

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