“帰化・永住者・特別永住者” それぞれの違いとは?
永住者、特別永住者、そして帰化…。
同じ居住資格でも、要件や活動出来る範囲など、それぞれに違いがあります。
■帰化と永住者の違い
活動の自由度や社会的な信用も大きな永住者と、混同されがちなのが“帰化”です。
在留資格の1つである“永住者”の場合は、在留期間の更新も不要ですし、職種や業種などの制限が無いものの、あくまで“外国人”として日本に在留し続ける資格です。
対して、“帰化”の場合は、日本国籍を取得することをいいます。
つまり、外国籍ではなくなり、日本人になることですので、在留資格制度からは除外されます。
社会保障、選挙権など…日本人が受ける権利と、全て同じ権利を享受出来ます。
よって、帰化の申請から許可を得るには、永住権より更にハードルが高くなります。
また、日本では二重国籍が認められていないので、日本国籍を取得したい場合には、元々の国籍を放棄する必要があります。
■永住者と特別永住者の違い
“特別永住権”とは、1991年11月1日に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」に定められた在留資格を持っている外国人のことです。
日本は第二次世界大戦に敗戦し、サンフランシスコ平和条約によって占領していた各国の領土を放棄しました。
このことによって、日本国籍を失った人々や、その子孫に対して“特別永住者”として永住を許可したものです。
永住者と特別永住者の大きな違いは、在留カードです。
永住者の場合は、在留カードの交付がありますが、特別永住者の場合は、在留カードの交付がありません。
代わりに、“特別永住者証明書”が交付されています。
その他では、特別永住者は“外国人雇用状況届出”の提出が不要であったり、その申請先が出入国在留管理局ではなく、それぞれの住民票がある自治体になります。
■特別永住者について
特別永住者の資格は子孫にも引き継がれ、親が特別永住者である場合、その子供も特別永住許可を申請することが出来ます。
永住者と同じく、就労や居住に関する制限がほとんどなく、在留期間に制限がなく、特別永住者としての資格が取り消されない限り、永続的に日本に滞在することが出来ます。
●特別永住者の基本要件
・平和条約国籍離脱者またはその子孫であること
特別永住者として認定されるには、平和条約国籍離脱者、またはその子孫である必要があります。
具体的には、1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した在日韓国人・朝鮮人、及び在日台湾人が対象です。
・1991年11月1日時点で特定の在留資格を有していること
平和条約国籍離脱者、その子孫で、1991年11月1日(入管特例法施行日)現在で以下のいずれかの在留資格を有していることが要件となります。
1.昭和27年法律第126号第2条第6項の規定により在留する者
2.旧日韓特別法の規定により永住許可(協定永住)を受けている者
3.旧入管法に基づき永住者の在留資格を有して在留する者
4.旧入管法に基づき平和条約関連国籍離脱者の子の在留資格を持つ者