在留資格“教授”とは?

今回は、在留資格“教授”について書いていきます。
教授ビザは、日本に於ける学術研究及び高等教育の向上を目的として、外国から大学教授などを受け入れるための就労ビザです。
つまり、日本の大学等で研究や指導、教育をする方々が取得するビザと言ったところです。
なので、一般的には少し馴染みがないところもありますね。
在留期間は、5年、3年、1年、3ヶ月になります。

■教授ビザの対象者
教授ビザを取得出来るのは、日本の大学か、これに順ずる機関又は高等専門学校に於いて、研究、指導、教育のいずれかの活動を行う人とされています。
在留資格該当性については、役職名ではなく実質的に研究、研究指導、教育に従事しているか否かで、判断されます。
具体的には、下記のような役割に就く方々が教授ビザの対象者となります。
各機関内での役職の例としては以下が挙げられます。
所長、学長、校長、副学長、副校長、教頭、教授、准教授、講師、助手
また、大学以外でも働ける機関もあり、具体的には下記の表のようになります。

教育機関具体例
大学・高等専門学校4年制大学、6年制大学、短期大学、大学院、大学の別科・専攻科、
大学付属研究所、高等専門学校
※別科とは、大学に入学出来る資格を有する者が、簡易的な技能教育を受ける目的とする課程(修業年限1年以上・修了後の進路は就職に限る)
※専攻科とは、大学の卒業生や卒業生と同等以上の学力を有する者に対して、勉学の教授・研究指導を目的とする課程(修業年限1年以上)
大学と同等と認められる教育機関水産大学校、海技大学校(分校を除く)、航海訓練所、航空大学校、海上保安大学校、
防衛大学校、防衛医科大学校、職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、
気象大学校、航空保安大学校国立海上技術短期大学校(専修科のみ)国立看護大学校
大学共同利用機関国立天文台、国立極地研究所、国立遺伝学研究所、統計数理研究所、
国際日本文化研究センター、核融合科学研究所、国立情報学研究所
大学に準ずる機関大学入試センター、大学評価・学位授与機構


■教授ビザ取得の要件

教授ビザの申請要件は下記のようになります。

・所属機関の要件
日本国内での活動が、“大学若しくは、これに準ずる機関または高等専門学校に於いて研究、研究の指導又は教育をする活動”に該当すること

・報酬に関する要件
当該外国人の受入れ機関に於いて、同等の職位に就く日本人従業員と同等額以上の報酬を受けること

・学歴、職務経歴要件
教授ビザでは、学歴や職務経歴は問われません。
博士号等の肩書きも不要です。
しかし、高度専門職ビザの取得や、永住権申請を希望する方々にとっては、この学歴(博士号)や職務経歴は、ポイントを加算するための要素となるため、有利になると思います。

・日本語能力について
日本語能力についても、特に問われません。
教授ビザの取得条件の中に、日本語能力は含まれていません。

■教授ビザはアルバイトが可能?
教授ビザは、認められる活動の範囲内であれば、副業やアルバイト等が可能です。
また、その活動範囲外である場合は、資格外活動許可を得れば、可能になります。
ただ、資格外活動許可も無制限に出来るわけではなく、雇用主の名称、所在地、業務内容等、個別に指定した“個別的許可”になります。
個別的許可の具体的な例としては、高校講師や書籍出版等があります。
また、副業やアルバイトの収入が、教授の報酬を上回ることは禁止されています。

■要件を満たせば永住権申請も可能?
教授ビザを含む就労ビザの取得者は、下記の要件を全て満たせば永住権の申請が可能になります。
・素行が善良である
・独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有する
・罰金刑以上の有罪判決を受けたことがない
・公的義務を適正に履行している
・最長の在留期間(教授ビザの場合は5年)をもって在留している
・引き続き10年以上日本に在留し、そのうち5年以上就労している

また、教授ビザを持っている方で“高度専門職1号イ”の在留資格に該当する、“高度外国人材ポイント”を70点以上を取得すれば、3年又は1年で永住権申請が可能になります。
もし、ポイントが70点に満たない場合でも、教育や研究分野に於いて日本への貢献を認められれば、滞在5年で永住許可が認められる場合もあります。