国家戦略特別区域法(特区民泊)とは…
特区民泊とは、国家戦略特別区域と呼ばれる地域で実施されている、旅館業法の特例に基づく民泊事業で、正式名称は“国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業”といいます。
特定の地域に外国人観光客を誘致し、地域の経済活性化を図ることを目的としており、宿泊施設が不足している地域に於いて、宿泊施設の選択肢を増やし、観光客の利便性を向上させることも目的としています。
国家戦略特別区域法(特区民泊)の主な要件
- 特区民泊に関する条例に基づく許認可
旅館業法の簡易宿所営業とは別に、特区民泊に関する条例に基づく認定を受ける必要があります。
特区に指定された自治体によって独自のルールがあるため、その指導に従って申請及び事業を進めることが必要です。 - 地域の指定や宿泊期間の要件
民泊新法とは違い、年間の営業日数に制限はありませんが、東京都や大阪府など…国家戦略特別区域に指定された特定の地域でのみ民泊営業が出来ます。
また、地域によってルールが異なりますが、原則2泊3日以上の宿泊が営業条件の1つになります。
特区民泊は外国人旅行客の長期滞在によって、地域に経済的な効果をもたらすことが目的であるため、短期旅行や出張の宿泊客をターゲットとした宿泊サービスは想定していないためです。 - 住宅の要件
宿泊施設として提供する住宅は、以下の条件を満たす必要があります。
■消防設備
・台所に消火器を設置(延床面積が150㎡以上の場合は居室や廊下などにも設置が必要)
・自動火災報知設備の設置
※延べ床面積が300㎡未満の施設の場合は、特定小規模施設用自動火災報知設備での代用が可能です。
・出入り口や通路に誘導灯を設置
・カーテン、じゅうたん等は防炎物品を使用し、宿泊室に避難経路図を掲示
■居室
・1居室の床面積が25㎡以上であること
・出入口と窓は、施錠出来るものであること
・出入口と窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は壁造りであること
・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること
・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること
■洗面設備等
・台所、浴室、便所、洗面設備を設置すること
※各設備の設置個数は、施設の定員に合わせて適切な数とされています。
■外国語を用いた各種情報の掲示
・施設の使用方法や緊急時における連絡先などの説明の掲示が必要 - 周辺住民への配慮
騒音やゴミ問題など、周辺住民への影響を最小限にするため、自治体によって定められた範囲の住民への説明、苦情に対応できる体制の整備が求められます。 - 衛生管理と安全管理
宿泊施設として提供する住宅は、定期的に清掃を行い、衛生状態を維持する必要があります。また、火災や地震などの災害対策も重要です。
申請の流れ
- お客様の物件が、民泊運営に必要な要件を満たしているかどうかの事前調査を行います。
- 事前調査の結果、申請可能と判断した場合、料金やサービス内容にご納得頂けましたら、正式に契約をさせて頂きます。
※この時点で、着手金として報酬額の半額をお支払い頂き、無事に申請が完了した時点で残りの報酬額をお支払い頂きます。
若しくは、契約締結時に全額お支払い頂く形でも承りますので、契約時にご相談下さい。 - 申請手続きの準備を始める前に、保健所と消防署で必要な設備や書類の確認を行います。
また、建築基準法に基づいた建物の確認のために建築課への相談が必要な場合もありますので、その場合は住宅の立面図や平面図の準備が必要です。 - 認定申請書、宿泊に関する約款、物件の詳細な配置図や設計図、消防法令適合通知書、近隣住民への説明に関する報告書等、申請に必要な書類を作成し収集します。
また、お客様に用意して頂く書類などがある場合は、都度お伝えします。
※ここで、消防または保健所等の現地調査や周辺住民への説明を実施します。 - 必要書類の準備が整い次第、管轄の市区町村の保健所に提出の代行を致します。
その際、各自治体で定められた手数料を収入証紙で支払う必要があります。
※報酬額以外の法定手数料や経緯等が発生した場合は、手続き終了後に別途ご請求させて頂きます。 - 施設検査
認定申請書を提出すると、設備の確認のため保健所と消防署による施設の立入検査が行われます。
立入検査には、事業主の立ち合いが必要です。
また、運営体制についても確認が行われます。
施設検査で問題がなければ、後日認定された旨の通知が届きます。
ご利用料金
根拠法令 | 料金(税込) | 法定費用 |
国家戦略特別区域法(特区民泊) | 264,000円~ 330,000円 | 20,500円~(自治体により異なります) |
※事前相談や窓口への届出の場合、現地調査の立ち合い等の往復交通費、その他の諸費用は、別途ご請求させて頂きます。
※手続きの難易度により料金を決定しますが、契約時に提示し、ご納得頂いた後の(諸費用を除く)料金の加算はありません。