永住者の子供が永住権を取得するためには?

今回は、永住者の子供が永住権を取得するのに必要なポイントを書いていきます。
ご存知のように、永住権を取得して日本に在留している外国人の子供であっても、自動的に永住権が与えられるワケではなく、別途申請をしていく必要があります。
そして、永住者の子供が永住許可申請をする状況としては、下記の2パターンがあります。
1.既に出生しており、永住権以外の在留資格で日本に在留している場合。
2.これから生まれてくる子供…つまり子供の出生に伴う申請です。
■既に出生している子供の永住許可申請
日本に在留する永住者の子供が永住許可申請をする際、既に出生している子供の場合は、通常の永住許可申請に比べて要件が緩和されます。
代表的なものが住居要件です。
これは“原則10年在留に関する特例”と呼ばれ、通常の永住許可申請では、原則10年以上日本に在留していることが必要ですが、永住者の実子等の場合、1年以上日本に継続して在留していれば、住居要件を満たします。
ただし、出国の日数が多い場合は難しくなるので、ここは注意点かと思います。
・審査の対象
永住者の実子等の永住許可申請では、収入や納税などは永住者である親の状況が審査されます。
基本的には、通常の永住許可申請と同じではありますが、それぞれ見ていきます。
・収入について
基本的には通常の永住許可申請と同じで、審査されるのは永住者である親の収入になります。
明確な決まりはないですが、大よその目安として基本300万円以上。
そして、扶養者が1人増えるにつき70~80万円の上乗せが必要です。
収入の判断基準は市区町村発行の課税証明書になりまして、直近1年分が必要です。
・納税状況について
永住者である親が、各種税金を適正な時期に納めていることが必要です。
未払いなどは論外ですが、支払っていたとしても、本来の納付期限に遅れがあると、許可を得るのは難しいです。
特に、最近ではこの遅れについてもシビアに厳しく審査されるため注意が必要です。
基本的には、住民税は直近1年分、年金と健康保険料は直近2年分の納付状況が審査されます。
・素行について
具体的な期間は、親が永住権を取得してから子供の永住許可申請までの素行が審査されます。
懲役刑や罰金刑を受けた場合は、かなり難しくなりますが、交通違反も注意が必要です。
軽微な違反は“行政罰”に分類されるので、数回程度であれば問題ありません。
しかし、飲酒運転や悪質なスピード違反等は、“刑事罰”にあたるため、罰金刑となります。
懲役刑や罰金刑を受けてしまった場合、処分の日から相当な期間が経過した後に申請された方がいいと思います。
■子供の出生に伴う永住許可申請について
親が永住者となった後に、新たに実子として出生した場合、出生してから30日以内に永住許可申請を行う必要があります。
収入や納税などの要件については、上記の基準と同じになります。
大きなポイントとしては、“出生後30日以内”に申請をするというところ。
必ず子供に永住許可が出るとは限りませんが、仮に許可が出ない場合でも、“永住者の配偶者等”の在留資格が与えられるので、親子で一緒に日本で暮らすことは出来ます。
もし、30日を経過してしまった場合、原則として永住許可申請は出来ません。
この場合は、新たに永住者の配偶者等の取得申請をすることになります。
この配偶者等ビザも取得出来ない状態で60日を過ぎますとオーバーステイになりますので、注意が必要です。
ちなみに、これらはあくまで“日本で出生し、日本に在留していること”が大前提です。
海外で出生したり、日本で出生しても引き続き日本に在留していない場合は、“定住者”ビザの取得を目指すことになります。
かばしま行政書士事務所では、永住許可申請についてのサポートも承っております。
既に受任事例もありますので、お気軽にご相談下さい。
もちろん、相談は無料です!